2019 年 75 巻 2 号 p. I_937-I_942
港湾施設における吸い出し抑止対策に資することを目的に,様々な水理外力下における地盤内の空洞形成・陥没の進行過程について大型水理模型実験により検討した.水理外力の繰り返し作用により,地盤内で空洞が徐々に拡大し,陥没に至る吸い出しの一連の進行過程に水理外力の作用方向が大きく影響することが明らかになった.さらに,空洞の陥没のタイミングには地盤内への水の浸透によるサクションの低下が関係していることが分かった.また,フィルター材を用いた吸い出し抑止法の高度化を図るため,フィルター材の吸い出し抑止機能について系統的に検討した.その結果,均等係数3.0以上のフィルター材を中央粒径比20以下で設置した場合,強い水理外力下においても十分な吸い出し抑止効果を発揮することが実証された.