2020 年 76 巻 2 号 p. I_103-I_108
過去の研究から,シルトフェンスは流速の増加に伴い,汚濁物質拡散防止効果が減少することが示されている.しかし,現状では流速の速い流れに対してもシルトフェンスを使用しなければならない場合もある.他方,シルトフェンスを複数枚設置することで,汚濁物質をより効率的に捕捉するという例もある.そこで,本研究では,速い流速下において,汚濁物質の拡散防止効果の定量的評価を目標として,水理模型実験を行った.その結果,1枚目のシルトフェンスの影響により,2枚目のシルトフェンスのふかれ量が低減することで,汚濁物質がより捕捉されることが分かった.その際の2枚目のシルトフェンスの変形形状は既往の推定式に適切な実験定数を用いることで再現できた.また,平面実験においてもその効果を確認できた.