海の研究
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総説
海洋マイクロプラスチックの採取・前処理・定量方法
中嶋 亮太 山下 麗
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2020 年 29 巻 5 号 p. 129-151

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抄録

海洋マイクロプラスチック汚染は,海洋が直面する地球規模課題の1つであり,近年,海洋マイクロプラスチック(MPs)に関する膨大な数の論文が出版されている。MPs をモニタリングする重要性が増す一方で,MPs の調査・計測手法は発展途上の段階にあり,多くの研究者が最適な手法を模索している。海洋MPs の主な調査・計測する手順は,(1)海水・堆積物・生物などの試料の採取,(2)夾雑物(有機物・無機物)を除去することでMPs を分離と精製,(3)検鏡と化学判別の組み合わせによるMPs の識別と同定からなる。それらの手法は多岐にわたり複雑である。本総説では海洋MPs の採取,前処理,同定,定量化の様々な手法について紹介するとともに,各手法の特徴と問題点を整理した。さらに今後のMPs 計測手法の方向性を述べる。

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© 日本海洋学会, 2020年
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