抄録
波高計群によって風浪の方向スペクトルを求める方法を拡張して, ある条件の下では実質上分解能を無限大に出来ることを示す.若干の数学的議論と共に実例を挙げて実際に可能であることを示す. 4台の波高計が大体星型の配置をしている時には, 波高計の最大距離の大体10倍から25倍の波長の波に対して真のスペクトルをほぼ完全に推定出来る. 最大スパンを変えないで台数を増すと短波長域の限界がのびるが, 長波長域には影響がない. 3台の波高計では全波長にわたって再生することが出来ない. BARBER (1961) の方法で得られるスペクトルは真のスペクトルと合成型の二重積分で結ばれるが, 分散関係が成立している場合には通常のFredholm第1種積分方程式で関係づけられる. この方程式を直交関数展開法によって解き真のスペクトルを再生する.