化学工学論文集
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安全,環境,エネルギー
リバーニング処理による飛灰ペレット中の重金属溶出特性とその抑制
成 昊鎮野田 玲治伊藤 一郎堀尾 正靱
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2004 年 30 巻 1 号 p. 65-72

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抄録
高価で複雑な従来の都市ごみ焼却飛灰中のダイオキシン類および重金属の無害化方法に代わる方法として, 本研究では, 焼却炉で飛灰ペレットをリバーニング処理する簡便かつ安価にダイオキシン類を分解し, 重金属を安定化させる方法について, とくに重金属の揮発·溶出挙動の検討を行った. 飛灰, セメントおよび水の混合物に薬剤(Na3PO4)を添加したものおよびしないものについてペレット化し, ラボスケールの気泡流動層炉にて, リバーニング処理を行った. 薬剤添加しないものに対してリバーニング処理しなかった場合は, Pbの埋立基準がクリアできなかったが, リバーニング処理により, すべての飛灰ペレットは重金属についての埋立基準をクリアすることができた. とくに薬剤を添加しない場合でも 700-900℃におけるリバーニング処理により, 重金属溶出は大幅に減少した. リバーニング処理により, 飛灰中のCaはAl, Si, Mg, Clなどと反応して鉱物を形成し不溶化することで溶出液のpHが低下することがわかった. リバーニング処理における重金属揮発の抑制には,飛灰のペレット化および少量のNa3PO4の添加が効果的であることがわかった.
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© 2004 公益社団法人 化学工学会
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