2009 年 35 巻 5 号 p. 488-494
本研究では,窒素化合物として燃料中に最も多く含まれるピロール型窒素から生成するFuel NO生成機構を解明するため,流通管型反応装置を用いた実験と詳細反応モデルを用いた解析を行った.具体的には,ピロールからFuel NOに転換する過程において,H2O付加量が反応に及ぼす影響について検討するとともに,ピロールから生成するFuel NO生成機構について考察を行った.その結果,H2O濃度の上昇により,O+H2O→OH+OHの反応が促進され,Oラジカルが消費されるとともにOHラジカルが生成される.これにともなって,HCN消費反応であるHCN+OHの反応が促進され,NO生成反応であるNCO+O→NO+COが抑制されることが示された.