2010 年 36 巻 6 号 p. 589-593
炭酸エチレン(Ethylene Carbonate: EC),炭酸プロピレン(Propylene Carbonate: PC)による化学増幅ネガ型ノボラックレジストの除去性を検討した.ネガ型レジストを用いることにより,ポジ型レジストでは困難なレジスト除去時間(レジスト除去速度)を定量的に求めることが可能であることを明らかにした.露光量の増加につれレジストが架橋するため,EC,PCとも除去速度は遅くなった.溶剤温度が同じとき,ECの除去速度はPCのそれに比較し速かった.ECの分子サイズがPCのそれに比較し小さいので,レジストに侵入しやすく溶解させやすいためと考えられる.アレニウス則をEC,PCによるレジスト除去反応に適用することにより,露光量が高いほど,また溶剤の分子サイズが大きいほど,活性化エネルギーが高いことが判明した.