化学工学論文集
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分離工学
伝導乾燥速度曲線を利用した多孔平板内バインダー偏析の推定
今駒 博信坪田 圭司堀江 孝史
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2011 年 37 巻 3 号 p. 229-234

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抄録

乾き材料品質の一例として多孔平板内のバインダー偏析を取り上げ,伝導乾燥速度曲線を利用した品質の推定法の可能性に関する調査研究を行った.多孔体の対流乾燥におけるバインダー偏析の推定に対して筆者らが提案した既往の簡易モデルを,多孔平板の伝導乾燥に対して応用し拡張モデルを提案した.拡張モデルに実測乾燥速度曲線を代入して得た計算結果を,ポリビニルアルコール水溶液をバインダー溶液として用いた筆者らによる既往の実験結果と比較検討したところ,両結果の一致は概ね良好だった.
限定された条件下ながら実験結果を再現できる拡張モデルの提案に成功したことから,伝導乾燥速度曲線を利用したバインダー偏析の推定法に関して今後の展開に対する可能性が示唆されたとともに,乾燥装置設計に不可欠である乾燥速度曲線を利用した品質データ推定の可能性に関する一例でもあるだろう.

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© 2011 公益社団法人 化学工学会
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