2021 年 47 巻 3 号 p. 64-68
遊離脂肪酸受容体(FFAR)1を活性化できる食品由来ペプチドの探索を目標とし,ペプチドの構造から物性値を取得し,既存のFFAR1アゴニストとの分子構造相同性を階層的クラスタリングで解析した.3 merから6 merまでのペプチドライブラリーに対して分子の物性パラメータが相関するペプチドを探索した結果,相関係数が高い12種の6 merペプチドを見出した.これらのペプチドを実際にFmoc固相合成法で合成し,FFAR1結合による活性化が評価できるTGFα切断アッセイを行ったところ,活性の高い2種のペプチド,GCGGSS, GASGCCを発見した.これらの活性は既往のアゴニストGW9508の約1/5であったが,天然アミノ酸からなるペプチドでFFAR1を活性化するペプチドは我々の研究が初めてである.