化学工学論文集
Online ISSN : 1349-9203
Print ISSN : 0386-216X
ISSN-L : 0386-216X
急速熱分解における石炭中窒素の挙動と石炭燃焼におけるNOx生成の関係
神原 信志宝田 恭之中川 紳好加藤 邦夫
著者情報
ジャーナル フリー

1992 年 18 巻 6 号 p. 920-927

詳細
抄録

石炭を急速熱分解した時に発生する窒素化合物の種類とその量について, 温度, 炭種の影響を実験的に検討した.石炭は, 亜瀝青炭から無煙炭の幅広い20種類の炭種を用いた.熱分解実験は, 853K~1488Kの温度範囲で急速か熱条件下で行った.揮発する石炭中窒素のほとんどは, NH3, HCN, N2に転換する.これらの窒素化合物への転換率は, 熱分解温度と炭種によって大きく変化することがわかった.概ね, 炭素含有量が低いほど, FuelNからHCN, NH3, N2への転換率が高い傾向にあることもわかった.
さらに実験室規模の微粉炭燃焼場にて各炭種についてNOx生成量を調べ, Volatile Nの挙動との関係を検討した.炭種の影響を的確に表現するために, FuelNからVolatile N化学種への転換経路を組み込んだNOx生成モデルを提案した.このモデルに基づいて, 乱流燃焼炉におけるNOx転換率と相関する因子を見い出した.

著者関連情報
© (社)化学工学会
前の記事 次の記事
feedback
Top