化学工学論文集
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2粒子間に形成される液架橋現象の理論解析
液中に不純物を含まない理想的な系
向阪 保雄遠藤 禎行西江 恭延
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1992 年 18 巻 6 号 p. 942-949

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抄録

液架橋形成機構を明らかにするために, 接触角が0°の場合の等径2球間に形成される溶解性不純物を含まない理想的な液架橋の形状についてKelvinの式を適用して理論解析を行った.その結果, 液架橋形状を雰囲気の湿度, 液体の物性, 粒子径などの関数として求めることができた.また, Kelvin効果によって形成される液架橋の大きさは最狭部の直径で100nm以下と非常に小さいことがわかった.実験では, 2枚のガラス製凸レンズおよび2球のガラスビーズ間に液架橋を形成させ, 恒温恒湿器内の一定の温度・湿度下で, 架橋形状を顕微鏡によって観察した結果, 理論解析を裏付ける結果が観察されると同時に, 架橋液中にわずかでも溶解性不純物が含まれる場合には, 液架橋形成に大きく影響を及ぼすことがあることが観察結果からわかった.

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