化学工学論文集
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2粒子間に液架橋が形成されたときの粒子間間隙の解析
遠藤 禎行向阪 保雄
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1993 年 19 巻 6 号 p. 1136-1142

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抄録

2個の球形粒子間に液架橋が形成されたときに, この粒子間の間隙がどのようになるのかについて理論的に解析を行った.その結果, 2粒子が接近するほど強くなる粒子間付着力と2粒子が接近するほど小さくなる液架橋表面の自由エネルギーによって, 他の外力が働かない限り, 2粒子は接近して引っ付くことを説明づけることができた.
実験では, 大きさの等しい2つのガラス球またはガラス製レンズ間に形成させた液架橋の引張り試験を行い, 粒子間の間隙と液架橋付着力の関係が理論解析結果に従うことが確かめられた.また, 糸で吊り下げた2つのガラス球を水平にわずかに離しておき, これに液架橋を形成させると, 瞬時にして2球が引っ付くという理論解析を裏付ける観察結果も得られた.
実際の粉体は乾燥状態に比べて含水率が多くなると, 層のかさ体積が減少するが, これはここで得た解析結果を裏付ける重要な事実と考えられる.

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