1993 年 19 巻 6 号 p. 1198-1202
石炭液化, 晶析, 金属触媒などの操作において用いられている固液系撹伴では, 撹拌槽内における固体粒子の浮遊.分散状態を定量的に把握し, 評価することが装置の設計を行う際に極めて重要となる.本研究では, 著者らが先に開発したリアルタイム・ディジタル信号処理システムを応用し, スラリー濃度検出部の構成が容易にできる光透過方式による撹伴槽内における局所スラリー濃度を多点でしかも同時にリアルタイムで測定する手法について検討した.さらに本測定法では槽内の局所スラリー濃度を極めて微小な時間間隔で測定することが可能であるため, 液流の乱れ場におけるスラリーの濃度変動を測定することができる.したがって, 槽内局所のスラリーの濃度変動の測定結果に基づき, 固体粒子の浮遊・分散状態を定量的に表示する手法を検討した.