1993 年 19 巻 6 号 p. 984-990
種々のエマルションを工業的に生産するために, 高圧ホモジナイザーや超音波乳化機が広く用いられているが, 単分散エマルションを製造したり, 最終的な用途に合せて, エマルションの粒子径を都合よく, 制御することはほとんどできない.著者らは最近, 多孔質ガラス膜を液体分散素子に用いることにより, さきの問題を解決できる新しい乳化法を見出した.本実験は基礎的研究の観点から, 膜の細孔特性とそれによって得られるエマルション粒子の関係を明らかにするために行われた.分相法による多孔質ガラス膜は多孔質セラミック膜のような多孔膜よりも分散素子として優れていた.単分散エマルションを製造するためには, 次の条件が欠かせなかった. (1) 多孔質膜は狭い細孔分布を有しなければならぬ. (2) 膜が分散液体相に濡れないようにすべきである.