化学と教育
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講座:ご当地の化学
立山から富山湾まで—高低差4,000mの科学第2報:雪・河川水・地下水の環境調査
水畑 和子堀川 恵司酒井 英男
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2016 年 64 巻 7 号 p. 344-347

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抄録

富山県は,三方を急峻な山々に囲まれ,深い湾を抱くように平野が広がっている。豊富な水資源は,稲作等の農業を盛んにし,また急な川が多いので水力発電所が多く,大量の電力を必要とするアルミ産業を発展させた。過去には,日本の四大公害病の一つ「イタイイタイ病」が発生し,最近では,立山に日本で唯一の氷河があることが確認された。魚津では,国の特別天然記念物に指定された約2000年前の杉林の埋没樹根も発見されており,富山市を中心に半径50kmの中に高低差4,000mの時空を超えた多様な自然環境が見られる。本稿では,富山の川のカドミウム濃度の現状と立山の雪と魚津埋没林の地下水に関する研究について紹介する。

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© 2016 公益社団法人 日本化学会
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