2019 年 67 巻 10 号 p. 484-487
質量分析は高感度で特異性の高い検出法として多くのアプリケーションで利用されている。以前は少数の専門家が使う道具という印象が強かった質量分析計であるが,ソフトウェア/ハードウェア両面の発展により,取り立てて深い専門知識がなくても誰もが扱える分析装置として身近な存在となった。しかし,適切な分析条件を設定したり,想定外の結果を解釈したりする場合に,基礎的な知識の有無は大きな違いを生む。本稿では,質量分析から得られる基礎的な情報から,定量分析では何を観測しているのかといった情報について解説する。