日本東洋医学雑誌
Online ISSN : 1882-756X
Print ISSN : 0287-4857
ISSN-L : 0287-4857
報告
日本の灸療法に適した国内産ヨモギの選抜
─葉面積を指標とした1次選抜─
松本 毅本間 雄二山崎 優子野田 勝二
著者情報
キーワード: モグサ, ヨモギ, 葉面積, 栽培, 選抜
ジャーナル フリー

2012 年 63 巻 3 号 p. 181-184

詳細
抄録

従来,日本では,灸治療用のモグサの原材料は,国内産のヨモギでまかなわれてきた。しかし,近年,国内のモグサ用ヨモギの納入量が低下したため,中国産ヨモギの輸入量が増加している。もし,将来,国内産の供給が不足すると,日本独自の灸治療が行えなくなる可能性がある。そこで,国内での栽培システムの開発を検討するために,ヨモギの産地の代表である新潟県にて,15種類のヨモギを採集し本学で栽培を行った。本研究は,葉面積を指標とした1次選抜である。その結果,節間長と葉面積から茎長1m 当たりの葉面積を計算すると,最も大きい個体群は3004.6cm2,最も小さい個体群は1134.4cm2であった。モグサの原料はヨモギの乾燥葉を用いることから,単位茎長当たりの葉面積が大きいほど圃場の単位面積当たりの収量が多いと考えられる。したがって今回の調査結果から,モグサ用のヨモギとして最も優れていると思われる個体群が判明した。

著者関連情報
© 2012 一般社団法人 日本東洋医学会
前の記事 次の記事
feedback
Top