従来,日本では,灸治療用のモグサの原材料は,国内産のヨモギでまかなわれてきた。しかし,近年,国内のモグサ用ヨモギの納入量が低下したため,中国産ヨモギの輸入量が増加している。もし,将来,国内産の供給が不足すると,日本独自の灸治療が行えなくなる可能性がある。そこで,国内での栽培システムの開発を検討するために,ヨモギの産地の代表である新潟県にて,15種類のヨモギを採集し本学で栽培を行った。本研究は,葉面積を指標とした1次選抜である。その結果,節間長と葉面積から茎長1m 当たりの葉面積を計算すると,最も大きい個体群は3004.6cm
2,最も小さい個体群は1134.4cm
2であった。モグサの原料はヨモギの乾燥葉を用いることから,単位茎長当たりの葉面積が大きいほど圃場の単位面積当たりの収量が多いと考えられる。したがって今回の調査結果から,モグサ用のヨモギとして最も優れていると思われる個体群が判明した。
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