日本東洋医学雑誌
Online ISSN : 1882-756X
Print ISSN : 0287-4857
ISSN-L : 0287-4857
蛋白漏出性腸症に対する烏梅圓の使用経験とその方意について
今井 一彰貝沼 茂三郎古田 一史三瀦 忠道
著者情報
ジャーナル フリー

2002 年 53 巻 3 号 p. 229-234

詳細
抄録

患者は64歳の女性。長年慢性関節リウマチ (RA) を患っていたが, 突然腹痛を伴う下痢を来たし当科を受診した。検査ではRA, シェーグレン症候群, 腸管アミロイドーシスによる蛋白漏出性腸症を認めた。高力ロリー輸液を施行し, プレドニゾロン, トラネキサム酸や甘草瀉心湯, 桂枝加芍薬生姜人参湯, 附子梗米湯などの漢方薬を投与したが, 下痢は治まらず, イレウス症状を呈するようになつた。鳥梅圓を投与したところ2週間ほどで下痢は治まり, 経口摂取できるようになつた。烏梅圓は蛔虫薬として知られているが, 下痢に対しての使用されることもある。本症例でもその後の検査で腸管からの蛋白漏出を認めなくなり, 症状だけでなく病態にも烏梅圓が効果あったと考えられた。

著者関連情報
© 社団法人 日本東洋医学会
前の記事 次の記事
feedback
Top