2012 年 68 巻 6 号 p. II_395-II_402
持続可能な都市実現に向けて,環境負荷の少ないコンパクトシティへの期待が一層高まっている.しかし,各都市がどのようにコンパクトシティ実現のための政策を掲げているかは整理されていない.本研究では40都市に渡る都市マスの記述を客観的に読み解き,各都市のコンパクトシティの捉え方や政策の種類,また,相反する記述など様々な面からコンパクトシティ政策の採用実態を時系列的に把握した.分析の結果,大都市圏都市の多くが都市マスにおいてコンパクトシティ政策を多く掲げるようになったことが示された.一方で,人口20万人以下の地方圏都市は,ほとんど掲げられておらず,掲げていても都市の低炭素化を意図していないものや,郊外部の開発を容認する政策を掲げている都市も見られることが明らかになった.