2026 年 52 巻 1 号 p. 4-11
化粧品市場の拡大に伴い,化粧品ごみの増加が予測される。化粧品を廃棄する際には中身を使い切り,容器を分別することが推奨されるが,廃棄行動の実態に関する研究は少ない。本研究は,可燃・不燃ごみに含まれる化粧品ごみを収集し,分別状況を評価することを目的とした。2023年に福岡市で実施された8回のごみ組成調査から,計403点の化粧品ごみを回収した。
目視評価では,約4割が使い切らずに廃棄されていた。計量による残存量割合では,平均して約2割の内容物が残存していた。家族世帯が多い地区では,単身世帯の多い地区に比べて中身分別の実行度が低かった。また,多くのびん素材が不燃ごみとして廃棄されており,可燃・不燃ごみ組成調査間で分別協力率に著しい違いがみられた。さらに,安価な化粧品ほど内容物を残したまま廃棄される傾向や,容器形状による使い切りやすさの違い(マニキュア容器は残存しやすく,ポンプ容器や広口ジャー容器は使い切りやすい)も確認された。以上より,自治体には家族世帯への普及啓発,企業には使い切りやすい容器設計,市民には分別ルールの遵守と使い切り行動を促す啓発が求められる。