感染症学雑誌
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群馬大学付属病院にて分離された緑膿菌の検討
特にファージ型別について
加藤 広行塚田 勝彦長町 幸雄伊豫部 志津子橋本 一
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1988 年 62 巻 11 号 p. 938-943

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抄録

群馬大学付属病院において分離された緑膿菌385株について, 検査薬剤はpiperacillin (PIPC), cefsulodin (CFS), ceftazidime (CAZ), imipenem (IPM), aztreonam (AZT), gentamicin (GM), amikacin (AMK), nornoxacin (NFLX) のいずれかに耐性の株90株といずれにも感受性の37株について12種類のファージを用いて型別を行い, 次の結果を得た.
1) GM耐性株, AZT耐性株, CFS耐性株はHh8型のファージ型別, つまりいずれのファージにも溶菌しない型 (nontypable) が多かった.
2) 多剤耐性型の多数はHh8型であり, 特にGM耐性を伴うものに多かった.
3) 血清型が1型, ファージ型, Hh8型のものはすべてGM・PIPC耐性であった.これらより院内感染がつよく疑われた.

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