感染症学雑誌
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RD細胞由来のRD-9H8細胞のエンテロウイルス感受性と, 中和試験への応用
柳原 敬松本 一郎川名 林治
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1992 年 66 巻 4 号 p. 484-489

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抄録

RD細胞 (Human rhabdomyosarcoma由来) からクローニングしたRD-9H8細胞について, 各エンテロウイルスに対する感受性を細胞変性効果 (CPE) を指標として調べ, 次の成績を得た.
培養正常細胞の鏡検所見は明瞭であり, エンテロウイルス接種後に出現するCPEの判定は, RD細胞に比較して極めて容易である.
ポリオウイルス1~3型, コクサッキーウイルスA群の7型, 9~13型, 15型, 16型, 18型, 20型, 23型, 24型, コクサッキーウイルスB群の1~6型, エコーウイルスでは31型を除く29種類のウイルス型に感受性が認められた.
一方, 親株RD細胞のコクサッキーウイルスB群に対する感受性に関しては極めて劣ることを確認した. 著者らはRD-9H8細胞が, コクサッキーウイルスB群にも高い感受性を示すことからRD-9H8細胞をコクサッキーウイルスB群に対する血清中和抗体の測定に応用し, 抗体保有状況を検討したのでその成績についても併せて報告する.

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