感染症学雑誌
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HIV-1母児感染についての調査成績
田部井 由紀子貞升 健志森 功次門間 公夫関根 大正工藤 泰雄宮沢 豊岡田 清
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1995 年 69 巻 8 号 p. 858-863

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抄録

母児感染の有無を診るために, HIV-1抗体陽性の母親3例と, それらより帝王切開で生まれた子供3例及び人工中絶例2例を対象に, ウエスタンブロット法による抗体検査, ELISA法によるp24抗原検査, Nested PCR法によるproviral DNAの検出, およびウイルス分離試験を末梢血, 膀帯血, 羊水, 胎盤について行った. 母親は全例, 抗体検査及びNested-PCR法によるproviral DNAは陽性であったが, ウイルス分離試験及びp24抗原検査は陰性であった. 生まれた子供及び人工中絶胎盤は, 抗体検査を除く感染マーカー試験では, 全て陰性であった. 今回の調査では, HIV-1の母子感染例は見られなかった.

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© 日本感染症学会
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