感染症学雑誌
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小児科医における帯状庖疹の発症率および帯状疱疹患者における水痘接触歴と家族構成
水痘ワクチンによる帯状庖疹予防効果の推測
寺田 喜平平賀 由美子河野 祥二片岡 直樹
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1995 年 69 巻 8 号 p. 908-912

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抄録

水痘ワクチンによる高齢者の帯状庖疹の予防効果について検討するために, 水痘患者を多く診察し特異細胞性免疫が賦活化されている小児科医の帯状疱疹発症率を調べた. また, 帯状庖疹と診断された患者の水痘患者との接触歴や家族構成を調べ, 水痘患者や小児との接触が多いかを調べた.
500名の小児科および内科小児科を標榜する50歳と60歳代の医師にアンケート調査し, 344名の有効解答を得た. 50歳および60歳代の帯状庖疹発症率はそれぞれ65.2,158.2/100,000 person-yearsであり, 他の報告の約1/2から1/8と低かった. 61名の基礎疾患を持たない帯状庖疹の患者では, 発症前4名だけが水痘患者と接触していたが家族内接触はなかった. また50歳以上の40名の患者のうち7名だけが14歳以下の子供と同居し, 23名は1世帯家族で孫や子供と同居しておらず, 子供との接触が少ないため水痘のブースターの機会が少なかったと思われた.
以上より, 水痘ワクチン投与によるブースター効果で高齢者の帯状疱疹を予防できる可能性があると思われた.

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