肝臓
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症例報告
10年以上生存した肝細胞癌の5例
山本 晋一郎柴田 憲邦武居 道彦國枝 武美都築 昌之大元 謙治井手口 清治久保木 眞吉岡 奈穂子富山 恭行
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キーワード: 10年以上生存例
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2005 年 46 巻 6 号 p. 372-381

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抄録

肝細胞癌 (HCC) の10年以上の長期生存の条件を明らかにする目的で, 自験5例についてその臨床経過を検討した. 1例は, 肝切除により10年間以上無再発であった. この症例を除きあとの4例はいずれも再発を繰り返した. 再発例はTAEやPEITで繰り返し治療を行った. 初発巣の治療から5年以上経過して再発した病変に対しては, PEITの繰り返しによりHCCの進行を遅らせることができたと思える. 肝切除後全く無再発の経過を辿る例を除いて, 初期病変に対するPEIT+TAEによる完治を目指すことと, 再発巣に対しては早期に局所治療を繰り返すことが, 長期生存を得るために必要であると思われた.

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© 2005 一般社団法人 日本肝臓学会
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