抄録
症例は45歳,女性.1998年4月初旬頃より全身倦怠感が出現したため当院受診となった.特発性門脈圧亢進症と診断され当院外来通院していたが,2004年7月頃より物忘れと構音障害が出現した.2005年8月精査加療目的で当院入院となった.血清セルロプラスミン低値,尿中銅排泄量高値,肝細胞への銅沈着陽性よりWilson病と診断した.家族調査の結果,弟もWilson病と診断し食事療法と薬物療法を行っている.成人の原因不明の肝疾患についは,Wilson病を鑑別診断として考慮する必要があると考えられた.