肝臓
Online ISSN : 1881-3593
Print ISSN : 0451-4203
ISSN-L : 0451-4203
症例報告
胆管癌術後肝転移に合併したA-P shuntの1剖検例
古川 賢英柴 浩明二川 康郎脇山 茂樹三澤 健之矢永 勝彦
著者情報
キーワード: A-P shunt, 胆管癌, 肝転移
ジャーナル フリー

2012 年 53 巻 8 号 p. 494-498

詳細
抄録
症例は70歳男性.半年前に進行胆管癌に対して膵頭十二指腸切除術,門脈再建術施行.T4N2M0 Stage IVbであったが,術後の補助化学療法については臨床研究に登録し,化学療法を行なわないこととなった.外来にて経過をみていたところ,食欲不振,肝障害にて緊急入院となった.入院時血液所見では,AST 759 IU/L,ALT 182 IU/L,T-Bil 3.3 mg/dl,Alb 2.8 g/dl,PT 38%と肝機能障害を認めた.CT,MRIでは,多発する肝腫瘍,門脈圧亢進に伴う変化を認めたが,血管造影を含めてA-P shuntの診断であった.肝障害の原因がA-P shuntと考えられたので,A-P shuntに対して肝動脈塞栓術を計画したが,肝動脈の閉塞でも求肝性の門脈血流を認めず施行できなかった.また,入院中血清Ca値の上昇を認め,骨シンチグラフィを施行したところ,多発骨転移を認めた.徐々に全身状態は悪化し,肝不全にて永眠された.剖検にて肝右葉全体の再発腫瘍,左葉にも多発腫瘍を認め,胆管癌による転移性肝癌が原因となった著明なA-P shuntの診断であった.今回,剖検から診断された胆管癌術後肝転移によるA-P shuntの症例を経験したので文献的考察を加えて報告する.
著者関連情報
© 2012 一般社団法人 日本肝臓学会
前の記事 次の記事
feedback
Top