肝臓
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症例報告
ソラフェニブ投与開始直後は進行(PD)であったが,少量投与にて4カ月以後に著明な抗腫瘍効果を認めた肝細胞癌の1例
大江 晋司柴田 道彦本間 雄一日浦 政明阿部 慎太郎田原 章成原田 大
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2012 年 53 巻 9 号 p. 564-569

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抄録
症例は79歳女性.多発肝細胞癌に対しTACEを繰り返していたが,肝細胞癌の増加増大を認めTACE不応例と判断した.肝予備能がChild-Pugh grade Aであったためソラフェニブ800 mg/日の投与を開始したが,投与開始1週間後にgrade 2の手足症候群,筋肉痛および肝酵素の上昇を認め,400 mg/日に減量した.投与2カ月後のCTでは,多発する腫瘍の更なる増加増大を認め,進行(PD)と判断した.投与2.5カ月後に再度のgrade 2の手足症候群のため200 mg/日へと減量した.投与4カ月後のCTでは,腫瘍は著明な縮小傾向を示し,部分奏効(PR)に転じた.また,AFP,PIVKA-IIも投与3カ月目までは増加傾向を示していたが,4カ月後には減少に転じた.投与9カ月後の現在までソラフェニブ200 mg/日での加療を継続し,RECIST基準にてPRが得られている.本例は投与4カ月後にPDからPRに転じ,少量にても著明な腫瘍縮小効果がみられている.
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© 2012 一般社団法人 日本肝臓学会
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