症例1は79歳男性.膀胱癌術前にS4に10 mm大の肝腫瘤を認めた.ダイナミックCT早期相で高吸収,平衡相でやや低吸収を示した.EOB造影MRIでは早期相でシャントを伴う濃染を認め,門脈相から肝細胞相で集積の低下が認められた.肝細胞癌が疑われたが,膀胱癌の転移を否定できず,肝生検を施行して肝血管筋脂肪腫と診断された.症例2は40歳男性.S6に15 mm大の肝腫瘤を認めた.ダイナミックCT早期相で高吸収,門脈相で周囲にコロナ様濃染を認め,平衡相で低吸収を示した.EOB造影MRIでは腫瘤は早期相で濃染し,門脈相にて周囲にコロナ様濃染が認められ,肝細胞相で集積の低下を認めた.肝細胞癌と考えられ,腹腔鏡下肝部分切除術が施行されたが,病理で肝血管筋脂肪腫と診断された.OATP免疫染色では,腫瘍部,線維性被膜は陰性で周囲肝細胞膜は陽性であった.CD34免疫染色では,腫瘍部は介在する血管内皮が陽性で,線維性被膜内の小血管と周囲肝細胞内の拡張した血管も陽性であった.