2013 年 54 巻 4 号 p. 266-276
九州内肝臓専門医療機関の多施設研究により,1型,高ウイルスC型慢性肝炎(CHC)に対するペグインターフェロン(PEG-IFN)α-2a+リバビリン(RBV)療法の有効性,安全性について検討を行なった.総数は320例,抗ウイルス効果判定症例は288例,安全性評価症例は310例.持続ウイルス陰性化(SVR)率はIntention-to-treatで53.1%,Per Protocol Set(44週間以上投与)で59.6%であった.13~36週目のRNA陰性化例では,延長投与が有効であった.SVRに寄与する因子は,治療前では年齢,BMI,総コレステロール,ウイルス量であったが,治療開始後では12週目までのウイルス陰性化のみであった.有害事象による治療中止例は14例(4.5%)であり,難治性CHCに対するPEG-IFNα-2a+RBV療法は安全性が高く,50%以上のSVR率が期待できる.