2018 年 59 巻 1 号 p. 23-32
自験例と文献的考察よりFusobacteriumによる肝膿瘍の臨床的特徴を明らかにすることを目的とした.1998年から2017年の20年間で経験した化膿性肝膿瘍125例中,Fusobacteriumによる肝膿瘍はFusobacterium necrophorum 1例,Fusobacterium nucleatum 5例,Fusobacterium spp. 3例の計9例であった.年齢の中央値は76歳で男性が多く,背景に腸管疾患,萎縮性胃炎,膵癌,齲歯,咽頭炎がみられたが,糖尿病合併はなかった.他の微生物との混合感染が3例でみられた.Fusobacterium necrophorumによる肝膿瘍はLemièrre症候群に続発し,Fusobacterium nucleatumによる肝膿瘍では大腸癌を併存する症例がみられた.全例が膿瘍ドレナージと抗菌薬により治療され,予後は良好であった.