肝臓
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総説
肝上皮系細胞の分化・増殖異常―慢性肝疾患と肝腫瘍の病態理解に向けて
西川 祐司
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2018 年 59 巻 1 号 p. 7-22

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抄録

慢性肝疾患と肝腫瘍の病態を理解するためには肝上皮系細胞の分化・増殖異常を正確に把握することが重要である.成熟肝における肝細胞と肝内胆管上皮細胞は機能も形態もまったく異なっているが,細胞起源は共通であり,胎生後期から新生児期に門脈結合織に接するアルブミン陽性肝芽細胞が胆管上皮細胞に分化する.肝細胞は最終分化した後も表現型の可塑性を保ち,コラーゲン基質の増加などの微小環境の変化により胆管上皮細胞へと分化転換する.マウスを用いたin vivo肝細胞追跡実験により,慢性肝疾患における細胆管反応は肝細胞の分化転換と胆管上皮細胞の増殖と移動による胆管系のリモデリング現象であることが明らかになった.また,肝細胞は高度の再生増殖能を持つとされているが,慢性肝疾患に伴う持続的増殖刺激に反応するのは一部の肝細胞のみであり,肝硬変の再生結節はこれらが選択的にクローン性に増殖したものであることが示唆された.さらに,肝細胞は腫瘍化に伴い,肝芽細胞方向へ種々の程度に脱分化し,肝細胞性腫瘍の多様な組織型は癌遺伝子シグナル経路の相互作用による分化転換と脱分化により規定されていることが明らかになってきた.

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© 2018 一般社団法人 日本肝臓学会
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