肝臓
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症例報告
ラジオ波焼灼療法後の再発肝細胞癌に対する複数回の陽子線治療により無再発生存を維持している1例
高田 佳子岡村 利之稲邑 克久河合 博志柴田 哲志
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2018 年 59 巻 2 号 p. 107-116

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抄録

症例は66歳の男性.2011年に住民検診で血小板減少を指摘され当院を受診し,B型肝硬変と診断され核酸アナログによる治療を開始した.2013年6月には肝S8に肝細胞癌(HCC)を指摘され,計4回のラジオ波焼灼療法(RFA)を施行したが2015年6月に再発を認め,RFAでの病変制御は困難と判断した.再発病変に対して陽子線治療を行い,治療終了時には腫瘍は退縮していたが,治療終了後6カ月で照射野内に再発し,2回目の陽子線治療を行った.治療終了時には腫瘍は退縮し,治療終了後13カ月の時点で再発を認めず病変のコントロールは良好である.2回の陽子線治療中,治療後とも重篤な合併症なく経過した.HCCに対して複数回の陽子線照射を行った報告は少なく,現時点では重篤な晩期合併症はないものの,今後も注意深い経過観察が必要である.

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© 2018 一般社団法人 日本肝臓学会
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