肝臓
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症例報告
多発肝細胞癌に対するLenvatinibの治療継続に肝切除と血中濃度測定が有用であった一例
大﨑 理英飯田 洋也野田 哲史藤本 剛英若杉 吉宣寺田 智祐谷 眞至安藤 朗
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2021 年 62 巻 2 号 p. 80-88

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抄録

症例は慢性C型肝炎に罹患し飲酒習慣もある60歳代男性で,原発性肝細胞癌の一部に破裂予防の肝動脈塞栓術施行後,lenvatinib 8 mg/日を開始した.約1カ月で腫瘍に感染し,抗生剤治療不応かつ経皮的ドレナージ困難にて,lenvatinibを一週間休薬し,開腹下感染腫瘍切除術を施行した.術後創部治癒に問題なく,lenvatinibを4 mg/日で再開したが,肝障害,倦怠感,食思不振で35日間休薬した.dexamethasone併用して再開し,8 mg/日まで増量したが動脈血流減少せず,lenvatinib血中濃度が低値であった.12 mg/日に増量後,有害事象なしに血中濃度は上昇し,動脈血流も低下した.腫瘍感染の治療困難例は耐術能が許せば,lenvatinibの適切な休薬で外科的治療も選択でき,また,lenvatinib血中濃度による投与量の調整は有効な可能性がある.

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© 2021 一般社団法人 日本肝臓学会
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