2022 年 63 巻 7 号 p. 335-341
症例は70歳代,男性.B型肝硬変を背景とした切除不能多発肝細胞癌に対してレンバチニブ,ラムシルマブ,持続肝動注化学療法で治療を行っていたが,リンパ節転移を認め,アテゾリズマブ・ベバシズマブ併用療法を開始した.5コース施行し,治療開始6カ月後に40℃の発熱,倦怠感,体幹部の発疹を認め,入院となった.免疫関連有害事象による皮膚障害の診断でステロイド投与を行い,体幹部の発疹は改善したが,第4病日に両下肢に紫斑が出現し,血小板<5000/μlと著明な低下を認めた.ステロイド投与の継続により緩徐に血小板数は回復した.切除不能肝細胞癌に対するアテゾリズマブ・ベバシズマブ併用療法によって免疫性血小板減少性紫斑病を生じた稀な1例を経験したので報告する.