症例は90歳代女性.腰椎圧迫骨折にて入院後に鎮痛目的でアセトアミノフェン(APAP)1.8 g/日を7日間,0.6 g/日を19日間投与された.投与後17日目より肝胆道系酵素上昇が出現し,好酸球増多をともなっていた.抗核抗体(ANA)陰性,抗ミトコンドリア-M2抗体(AMA-M2)陰性,HBs抗原陰性,HCV抗体陰性であった.
肝生検所見では,APAP肝障害の特徴である小葉中心性壊死はみられず,門脈域には好酸球・好中球よりもリンパ球優位の軽度から中等度の炎症細胞浸潤を認めた.加えて,肝内小型胆管に好酸球・リンパ球浸潤を認めた.APAP投与中止により肝胆道系酵素上昇の改善がみられた.
今回我々は,非定型的な病理組織像を呈したAPAP投与後肝障害の一症例を経験したので報告する.