抄録
患者は65歳,女性.数年前より慢性肝炎として治療をうけていた.来院時特に症状を認めず,皮膚掻痒,黄疸等も認めなかった.主な検査所見として,総コレステロール260mg/dl,総ビリルビン0.5mg/dl,γ-グロブリン2.3g/dl, IgG 2960mg/dl, IgM 540mg/dl, ICG(15分停滞率)7%,HBs抗原(-), HBs抗体(+), GOT 49U, GPT 21U,γ-GTP 120.0μU/ml, LAP 856U,アルカリフォスファターゼ値28.9K.A.単位, RAテスト(+),血清銅205μg/dl,抗核抗体(+),抗系粒体抗体(+),抗平滑筋抗体(+)であった.肝シンチにて著変なく,逆行性膵胆管造影法にて胆道系の閉塞を認めなかった.更に食道,胃内視鏡的には静脈瘤を認めなかった.外科的楔状標本にてはRubinらのいう慢性非化膿性破壊性胆管炎の所見を認め,Foxらのいうasymptomatic primary biliay cirrhosisに相当すると思われた.