抄録
日本肝癌研究会は1978年1月1日から1979年12月31日までの原発性肝癌2,396例について,246施設の協力により,個人票を作成して調査を行なった.このうち,肝細胞癌1,047例,胆管細胞癌93例,混合型9例,肝芽腫16例,その他33例で,1,198例は組織型不明であった.以上の症例について,腫瘍の肉眼型,組織型,非癌部組織,遠隔転移,肝炎既往,家族内癌発生,HBs抗原,抗体出現率,AFP,画像診断の所見などを調査すると共に,手術および化学療法の結果と,合併病変の有無との関連などについて検討した.