肝臓
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B型肝炎ウイルス感染症におけるIgM class anti-HBcの検討
慢性HBs抗原carrierを中心に
赤羽 賢浩清沢 研道山村 伸吉袖山 健野村 元積和田 秀一長田 敦夫古田 精市内藤 成子津田 文男
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1983 年 24 巻 1 号 p. 18-24

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抄録

anti-μ coated beadsを用いるRIAにより慢性HBs抗原carrier184例につきIgMclass anti-HBcを検索した.その結果92例(50%)にIgM class anti-HBcを検出したが,その力価は対照とした急性B型肝炎39例の初期血清に比しはるかに低値であった.慢性HBs抗原carrierにおけるIgM class anti-HBcは,無症候性HBs抗原carrierに比しHBs抗原陽性慢性肝疾患で,より高頻度に,より高値に検出された.HBe抗原陽性例はantiH-HBe陽性例に比し高い測定値を示した.また慢性B型肝炎の経時的採取血清による測定ではtransaminaseの増悪に若干遅れてIgM class anti-HBcの上昇が観察された.これらの成績から, HBc抗原の抗原刺激が持続する状態下でもIgM class anti-HBcが産生されており,HBc抗原量の変動ないしはその抗原刺激の変動が血清中のIgM class anti-HBcの変動に反映するものと考えられた.

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© 社団法人 日本肝臓学会
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