肝臓
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24 巻, 1 号
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  • 貫野 徹, 西口 修平, 門奈 丈之, 山本 祐夫, 広田 一仁, 三橋 武弘, 嶋崎 昌義, 山下 一美
    1983 年24 巻1 号 p. 1-10
    発行日: 1983/01/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
    コンピュータによる組織像の解析を進めるに当たり,組織構造とは組織学的構成要素が標本内で持つ相互位置関係であるとの理解のもとに,正常肝組織並びに肝細胞癌組織について,客観的に特徴描出ができる7種類のパラメータを求め,組織像の解析を試みた.
    まず各肝組織標本の顕微鏡写真を作成し,写真上の単位領域(170μm径,これは標本上の0.8μm径に相当)の明るさを数値化し,次いでこの数値より7種類の特徴パラメータを算出し,各写真の明暗の分布パターンを表現した.
    解析の結果,正常肝組織はHE染色標本において,肝癌組織とは明らかに異なったパターンを示すことが明らかとなった.更に,肝癌の高分化型と低分化型の差異をも判別する可能性が示唆された.また,因子分析による解析の結果得られた2因子軸平面上への投影図から,正常肝,高分化型及び低分化型肝癌の組織像の特徴が視覚的にもとらえ得ることが示された.
  • 三島 昭彦, 大西 久仁彦, 波多野 等, 斉藤 正之, 中山 隆雅, 桧山 義明, 土屋 聖二, 岩間 章介, 野村 文夫, 河野 邦彦, ...
    1983 年24 巻1 号 p. 11-17
    発行日: 1983/01/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
    フェノバルビタ-ルで誘導されるチトクロームP-450(PB-チトクロームP-450)の肝小葉内での局在を,直接蛍光抗体法によって,フェノバルビタールで処置したラット(PB処置群)の肝臓と生理食塩水で処置したラット(コントロール群)の肝臓を用いて明らかにしようとした.コントロール群の肝細胞に,特異蛍光は弱く認められ,小葉周辺部よりも小葉中心部に強く認められた.PB処置群では,蛍光は全体にコントロール群より強く,小葉周辺部より小葉中心部の蛍光の方が強かった.小葉中心部と小葉周辺部の蛍光の強度の格差は,コントロール群より強かった.
  • 慢性HBs抗原carrierを中心に
    赤羽 賢浩, 清沢 研道, 山村 伸吉, 袖山 健, 野村 元積, 和田 秀一, 長田 敦夫, 古田 精市, 内藤 成子, 津田 文男
    1983 年24 巻1 号 p. 18-24
    発行日: 1983/01/25
    公開日: 2010/01/19
    ジャーナル フリー
    anti-μ coated beadsを用いるRIAにより慢性HBs抗原carrier184例につきIgMclass anti-HBcを検索した.その結果92例(50%)にIgM class anti-HBcを検出したが,その力価は対照とした急性B型肝炎39例の初期血清に比しはるかに低値であった.慢性HBs抗原carrierにおけるIgM class anti-HBcは,無症候性HBs抗原carrierに比しHBs抗原陽性慢性肝疾患で,より高頻度に,より高値に検出された.HBe抗原陽性例はantiH-HBe陽性例に比し高い測定値を示した.また慢性B型肝炎の経時的採取血清による測定ではtransaminaseの増悪に若干遅れてIgM class anti-HBcの上昇が観察された.これらの成績から, HBc抗原の抗原刺激が持続する状態下でもIgM class anti-HBcが産生されており,HBc抗原量の変動ないしはその抗原刺激の変動が血清中のIgM class anti-HBcの変動に反映するものと考えられた.
  • 原 正浩, 垣下 榮三, 森 俊雄, 大岩 信之, 永井 清保, 福地 稔
    1983 年24 巻1 号 p. 25-30
    発行日: 1983/01/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
    131I-fibrinogenおよび,125I-fibrinogenを用い,肝硬変症患者のfibrinogen寿命の測定および体表計測を行ない,凝固障害の発生機序について検討した.肝硬変症患者のfibrinogen寿命は短縮し,heparinによって是正がみられ,凝固障害の発生機序の原因として,消耗性凝固異常の存在を示唆する成績を得,また,体表計測により,標織されたfibrinogenが,肝,脾の部位に蓄積し,fibrinogen消費の場として,肝および脾,特に脾腫が関係している可能性が示唆された.また,凝固障害において変化すると言われる第VIII因子についても,あわせて検討した.
  • 加登 康洋, 服部 信, Owen Epstein, Sheila Sherlock
    1983 年24 巻1 号 p. 31-34
    発行日: 1983/01/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
    原発性胆汁性肝硬変(PBC)では,骨障害を合併することが知られているが,骨の病態を知るには,骨生検以外に方法のないのが現状である.今回著者らは,PBC 83例について,X線学的に第2中手骨の骨皮質(CCT),髄質(M),骨の太さ(T)をバーニアキャリパスを用いて測定し,健康女性と比較検討した.CCT値は,正常対照群では20歳代から50歳代にかけて上昇し,60歳代より減少を示した.一方PBCでは40歳代より減少を示し,対照群に比し低値を示し,その差は有意であった.M値は対照群では20歳代から50歳代にかけて低値を示し,60歳代より上昇を示した.PBCではM値は30歳代から上昇を示し,対照群に比し有意の高値を示した.T値はPBCと対照群とで著変を認めなかった.以上より,PBCにおける骨病変は,閉経期前より骨の皮質の菲薄化がみられ,この原因として,骨の髄質の増加の関与(骨の内膜の吸収障害)が考えられた.
  • 香川 博幸, 小田 隆俊, 亀田 幸男, 中島 紘, 北井 明, 西内 明子, 瀬尾 敬, 進士 義剛, 青木 栄三郎, 西窪 健次, 興梠 ...
    1983 年24 巻1 号 p. 35-46
    発行日: 1983/01/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
    劇症肝炎の急性期すなわち昏睡期(5例)あるいは前昏睡期(1例)に腹腔鏡検査および直視下肝生検を施行した6症例について本検査の診断的意義と安全性を検討した.腹腔鏡的に肝萎縮が高度で肝生検でも広汎壊死を認めた3例は全例検査後9日目までに死亡したのに対し肝萎縮の軽度であった3例中2例は救命し得た.死亡した他の1例は壊死性膵炎が主な死因であって,この合併症も腹腔鏡で生前診断可能であった.肝生検標本から算定した肝細胞容積比は腹腔鏡的に肝萎縮高度の3例いずれも10%以下であるのに対し肝萎縮軽度で胆汁色に染まる残存肝実質を充分量認識し得る3例ではそれぞれ40(膵炎合併死亡例),45, 70%と明らかな差を認めた.検査後に処置を要するような大出血その他の偶発症は生じなかった.熟練した術者がICU管理のもとで施行するなどの充分の注意を払えば,腹腔鏡検査は劇症肝炎急性期の予後推定と合併症の診断に有用であった.
  • 織部 孝史, 矢次 孝, 冨岡 勉, 田辺 篤一, 角田 司, 原田 昇, 伊藤 俊哉, 土屋 涼一, 棟久 龍夫, 長瀧 重信, 小路 敏 ...
    1983 年24 巻1 号 p. 47-54
    発行日: 1983/01/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
    肝原発悪性混合腫瘍と肝細胞癌の重複癌の1症例を報告した.肝原発悪性混合腫瘍の成人例自体極めて稀で,本症例を含めて20例の報告があるに過ぎない.さらに本症例の如く肝細胞癌との重複癌はその報告を世界にみない.症例は57歳の男性で,肝右葉に直径2cm大の腫瘤があり,肝癌の診断にて肝部分切除術を施した.組織学的に乙型肝硬変を伴ったEdmondson II型の肝細胞癌であった.術後AFP, CEAはさらに上昇傾向を示し,5ヵ月後のCT-scanにて前回手術部から離れた部位に直径6cm大の腫瘍を認めた.肝亜区域切除術にて摘出した腫瘍は組織学的にspindle cell sarcoma, chondrosarcoma, squamous cell carcinoma及びadenocarcinomaの異なった4成分で構成された肝悪性混合腫瘍であった.酵素抗体法による組織染色では,adenocarcinomaの部分にCEA反応が弱~中等度陽性を示したが,非癌部を含めたそれ以外の腫瘍部位では全て陰性であった.
  • 奥野 忠雄, 片岡 慶正, 出口 武司, 小笠原 孟史, 岡上 武, 瀧野 辰郎
    1983 年24 巻1 号 p. 55-61
    発行日: 1983/01/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
    78歳男性で皮膚〓痒感と軽度黄疸を主訴として入院.検査成績では2年8カ月間の経過観察中総ビリルビンは1.3~4.0mg/dlの間を推移し,GOT, GPTも50~90K.U.の間を変動し常にGOT優位であった.Al-Pも50~100K.A.U.と高値を持続し,LAP, γ-GTPも異常高値が持続した.総コレステロールは233~340mg/dlの間を変動した.IgMは経過中2,520mg/dlと著しい高値を示すも,かなりの変動がみられた.抗ミトコンドリア抗体は強陽性で最高2,560倍であった.抗核抗体,抗DNA抗体は陰性であったが,抗平滑筋抗体はときに陰性,ときに陽性を示した.肝の針生検組織では肝小葉構造はよく保たれており比較的大きな門脈域は不規則な形に拡大し一部に形質細胞の密な集簇を認め門脈域辺縁部には著明なatypical ductular proliferationを認めた.又顕著なpiecemeal necrosisもみられた.ローダミン銅染色にて小葉周辺部の肝細胞内の核周囲に多数の銅顆粒がみられた.組織学的にはCAHとのoverlapを示唆する所見であった.
  • 三宅 周, 河野 宏, 荒木 文雄
    1983 年24 巻1 号 p. 62-68
    発行日: 1983/01/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
    甲状腺クリーゼ(クリーゼ)は一度発症するとしぼしば致死的であり,その発症の原因の1つとして肝障害説がある.我々は,著明な急性肝壊死で死亡した甲状腺機能亢進症(甲亢症)の1剖検例を経験したので報告する.
    患者は71歳女性で,昭和52年に甲亢症をいわれるも放置.昭和57年1月3日に風邪気味にて薬をのみ,翌日早朝家人が起こすに返答なく,当院に緊急入院.入院時,意識混濁,黄疸,眼球突出,頻拍(142)等を認めた.検査上,白血球数増加,T3摂取率上昇,肝実質障害の所見があった.抗不整脈剤,ステロイドなどにかかわらず,約17時間後に死亡.剖検で甲亢症+急性肝壊死に一致する所見を認めた.甲亢症において,肝の脂肪変性,中心性および限局性壊死などがいわれているが,劇症肝炎に相当する著明な急性肝壊死の報告は見当たらない.黄疸を伴う甲亢症例はしばしばクリーゼに陥るので,その意味でも黄疸の有無は重要であると考えられた.
  • 久保田 佳嗣, 水野 孝子, 奥平 勝, 河郷 忍, 松本 淳, 立岩 二朗, 平松 新, 鮫島 美子
    1983 年24 巻1 号 p. 69-74
    発行日: 1983/01/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
    症例は54歳男性,腹部単純レ線写真で,上腹部に卵穀様の石灰化陰影を指摘され来院した.2年前から糖尿病のため加療中であるが,腹部外傷,種々の消化器症状をきたした既往はない.腹部超音波・CT検査で膵頭部下後方に石灰化の著明な腫瘤を認め,腹腔動脈造影でこの腫瘤は,celiacomesenteric truncより上腸間膜動脈分枝直後の総肝動脈に生じた動脈瘤と診断した.ERCP所見はこの動脈瘤のために,主膵管が膵頭部で下後方より圧排・偏位され,拡張・壁不整・小のう胞があり,中等度以上の慢性膵炎所見を呈していた.動脈瘤切除目的で手術を行ったが,癒着がつよく部分切除と総肝動脈結紮を実施した.術後,肝はceliacomesenteric truncより上腸間膜動脈,胃十二指腸動脈を通じ固有肝動脈からの側副路で養われており,ERCPでは主膵管の異常はやや改善されている所見をえた.総肝動脈動脈瘤は稀なもので,本邦では本例を含め10例の報告がある.
  • 異常バンドの性状について
    高橋 篤, 関谷 千尋, 矢崎 康幸, 並木 正義
    1983 年24 巻1 号 p. 75
    発行日: 1983/01/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
  • 田中 薫, 森 亘
    1983 年24 巻1 号 p. 76
    発行日: 1983/01/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
  • 倉井 清彦, 飯野 四郎, 鈴木 宏, 三田村 圭二, 中山 利文, 遠藤 康夫
    1983 年24 巻1 号 p. 77
    発行日: 1983/01/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
  • 各種肝疾患患者血清における動態
    籏原 照昌, 船木 直也, 五十嵐 省吾, 井上 哲文, 広瀬 俊一
    1983 年24 巻1 号 p. 78
    発行日: 1983/01/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
  • 飯島 敏彦, 吉野 泉, 佐藤 元, 実川 浩, 佐久間 光史, 前田 裕, 高原 義, 南部 勝司, 上田 英雄, 小町谷 恭平, 浪久 ...
    1983 年24 巻1 号 p. 79
    発行日: 1983/01/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
  • 1983 年24 巻1 号 p. 80-117
    発行日: 1983/01/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
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