肝臓
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肝細胞癌に肝原発悪性混合腫瘍を合併した1例
織部 孝史矢次 孝冨岡 勉田辺 篤一角田 司原田 昇伊藤 俊哉土屋 涼一棟久 龍夫長瀧 重信小路 敏彦小室 安晃浜田 修二
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1983 年 24 巻 1 号 p. 47-54

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抄録

肝原発悪性混合腫瘍と肝細胞癌の重複癌の1症例を報告した.肝原発悪性混合腫瘍の成人例自体極めて稀で,本症例を含めて20例の報告があるに過ぎない.さらに本症例の如く肝細胞癌との重複癌はその報告を世界にみない.症例は57歳の男性で,肝右葉に直径2cm大の腫瘤があり,肝癌の診断にて肝部分切除術を施した.組織学的に乙型肝硬変を伴ったEdmondson II型の肝細胞癌であった.術後AFP, CEAはさらに上昇傾向を示し,5ヵ月後のCT-scanにて前回手術部から離れた部位に直径6cm大の腫瘍を認めた.肝亜区域切除術にて摘出した腫瘍は組織学的にspindle cell sarcoma, chondrosarcoma, squamous cell carcinoma及びadenocarcinomaの異なった4成分で構成された肝悪性混合腫瘍であった.酵素抗体法による組織染色では,adenocarcinomaの部分にCEA反応が弱~中等度陽性を示したが,非癌部を含めたそれ以外の腫瘍部位では全て陰性であった.

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© 社団法人 日本肝臓学会
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