肝臓
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新しいラットのin vivo isolated liver perfusion法によるhyperthermo-chemotherapyの肝への影響
宮崎 勝藤本 茂志村 賢範高橋 修遠藤 文夫奥井 勝二L. MakowkaR.E. FALK
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1983 年 24 巻 6 号 p. 633-640

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抄録

ラットにおける門脈経由(PV)と肝動脈経由(HA)の2種類のin vivo isolatedhepatic perfusion法を用いて,肝への温熱化学療法の影響を検討した.生存率では5-FU250mg/kg, Mit-C2.0mg/kg(PV), 2.5mg/kg(HA)まで耐える事ができた.同投与量は全身投与では75~100%の致命率をもたらした.温熱療法では温度および灌流時間に依存性の肝傷害効果を示した.血清GOT, GPTは肝灌流後24時間で異常高値を示すが,5日目にほぼ正常値に復し,非致死量では一過性の変化であった.組織学的検索では致死量の制癌剤および温熱療法後に強い肝細胞壊死巣を広範に認めた.5-FU(125, 250mg/kg)の肝灌流後の肝再生能は対照群(非肝灌流)に比し,36~45%の抑制を認めた.一方温熱療法による肝灌流では50~77%のさらに強い肝再生能の抑制を示した.二経路間の比較ではHAの肝灌流の方がPVに比し肝組織への傷害度が少なかった.

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© 社団法人 日本肝臓学会
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