肝臓
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超音波を主体とした肝癌の集団検診
美馬 聰昭福田 守道板谷 晴隆平田 健一郎寺田 省樹斉藤 甲斐之助池田 成之平田 済渡辺 一晶内山 清小倉 浩夫金川 博史水尾 仁志田辺 利男鈴木 豊
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キーワード: 肝癌検診, 超音波検診
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1985 年 26 巻 8 号 p. 1026-1033

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抄録

肝癌のhigh risk groupを対象に昭和56年11月から超音波を主体とした肝癌の集団検診を実施した.対象者はHBVキャリアおよび肝疾患歴のあるものを主体とし,GOT, GPT, LDH, ALP, Ch-E, r-GTP, TTT, ZTTなどの肝機能検査,HBs抗原抗体系,AFPその他の腫瘍マーカーの検索と超音波検診を併用した.昭和59年4月までの2年6ヵ月間に,札幌,函館,帯広,旭川の道内主要都市を中心に計9回の検診を行い,受診者は延べ2,028名を数えた.受診者は30~60代を主体とし,男女比は1:0.49であり,なんらかの肝機能検査異常を呈したものは60.9%に上り,HBs抗原の陽性率は23.2%を示した.肝癌は21名,1.04%に発見されたが,19名は超音波検査のみによりスクリーニングされ,他はAFP高値例の追跡により診断しえた.その他,肝血管腫22名,1.1%,肝嚢胞52名,2.6%,胆石症91名,4.5%, FNH 1名も発見された.

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© 社団法人 日本肝臓学会
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