肝臓
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肝細胞癌のリンパ節転移とその特徴
胆管細胞癌を対照とした日本病理剖検輯報の集計
吉岡 正和山本 正之藤井 秀樹松本 由朗菅原 克彦
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1985 年 26 巻 8 号 p. 1034-1039

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抄録

肝細胞癌(HCC)リンパ節転移の特徴を知る目的で,胆管細胞癌(CCC)を対象として1972~1981年の10年間における日本病理剖検輯報を集計し,統計学的検討を加えた.HCC 12,459例,CCC 2,048例の内,リンパ節転移はHCC 33.3%, CCC 67.6%で有意(p<0.01)にCCCで高率であった.血行性転移と播種はHC C59.4%, CCC 78.6%で有意(p<0.01)にCCCで高率であった.HCCにおいては,肝硬変併存9,679例(77.7%)と非併存例を比較すると,リンパ節転移率(24.6%, 43.4%),血行性転移と播種率(59.4%, 78.6%)は,共に肝硬変非併存例に高かった(p<0.01, p<0.01).リンパ節転移の広がり方としては,共に,領域リンパ節転移がなくて領域を越えたリンパ節に転移のある例がHCC 42%, CCC 34%にあり,肝臓の頭,尾方への拡大では,HCCはCCCに比べ頭方へ広がる率が高いが,領域リンパ節にのみ転移が止る場合,HCC, CCC共に大部分の症例で尾方への拡大であった.

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© 社団法人 日本肝臓学会
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