肝臓
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Bilirubin Diglucuronide生成機構の研究
栗栖 寛子山菅 忍神坂 和明前澤 秀憲足立 茂足立 幸子上杉 孝
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1985 年 26 巻 8 号 p. 1055-1061

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抄録

Bilirubin Diglucuronide (BDG)生成機構を,in vivo及びin vitroの実験により考察した.分析には高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を用いた.(1) Bilirubin monoglucuronide (BMG)からBDGを生成する反応系を観察するため,BMGの安定性について検討した.その結果BMGは水溶液中で極めて不安定であり,容易にdipyrrole交換反応をおこし,当モルのBDGとBilirubin (BR)とに変化すること,この反応はアスコルビン酸等の還元剤および牛血清アルブミン,あるいはラット肝上清画分を加えることで阻止できることを確認した.(2)Wistarラットの肝細胞膜にはBMGからBDGへの変換活性は認めなかった.(3)ホモ接合体雄性GunnラットにBMGを投与したが,胆汁中に新たなBDG生成は認めなかった.

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© 社団法人 日本肝臓学会
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