1988 年 29 巻 9 号 p. 1233-1240
Cu, Zn-Superoxide dismutase (SOD)の各種肝疾患における光顕的局在と電顕的局在をペルオキシダーゼ酵素抗体法を用いて免疫組織化学的に検討した.光顕では,Cu, Zn-SODは各種肝疾患を通じ線維化近傍の肝細胞群および脂肪変性やballooning変性に陥った変性肝細胞群に強く局在する傾向を認めた.電顕による局在検討では,Cu, Zn-SODは肝細胞内で核膜周囲腔の粗面小胞体,細胞質内の管状小胞体,小胞,Golgi装置などの蛋白合成及び分泌に関する小器官に局在が認められた.また胞体内の脂肪滴周囲や肝細胞膜にCu, Zn-SODの局所性反応が認められ,これらの部位でのCu, Zn-SODの関与が示唆された.