肝臓
Online ISSN : 1881-3593
Print ISSN : 0451-4203
ISSN-L : 0451-4203
初代培養肝細胞における細胞内カルシウム動態の単一細胞における検討
金子 晃林 紀夫田中 由宇志古澤 俊一黒沢 和平伊藤 敏文佐々木 裕笠原 彰紀房本 英之佐藤 信紘鎌田 武信
著者情報
ジャーナル フリー

1990 年 31 巻 10 号 p. 1191-1196

詳細
抄録

肝細胞における細胞内カルシウム動態の意義を明らかにするため,初代培養肝細胞を用いてホルモン刺激後のカルシウム動態を経時的に測定した.培養早期の肝細胞ではvasopressinおよびphenylephrineに対して細胞内カルシウムの著明な上昇を示したが,培養時間の経過にともなって反応性は低下,遅延し,12~24時間後には反応は消失した.これは肝細胞が増殖に向かうにつれ,これらのホルモンのreceptorが減少することによりphosphatidylinositol代謝系を介したカルシウムのシグナルが減衰したものと考えられ,このシグナルの変化が肝細胞の増殖分化と関連していることが示唆された.

著者関連情報
© 社団法人 日本肝臓学会
前の記事 次の記事
feedback
Top