肝臓
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若年者麻疹に伴った肝障害の臨床病理学的検討
仁木 康雄宮崎 光一石須 良一中西 歩牧野 幸郎清水 敦哉野口 幸延田川 新生村田 佐門伊藤 信康高瀬 幸次郎為田 靱彦小坂 義種中野 赳
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キーワード: 麻疹, 肝障害, 肝生検
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1993 年 34 巻 7 号 p. 541-547

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抄録

1988年以降当院において経験した若年者(15~23歳)発症の麻疹症例のうち,入院を要した8例につき,主に肝障害に関して臨床病理学的検討を行った.GOT, GPT, LDHの上昇は全例に認めたが,黄疸を認めた例はなかった.血清GPT値は発疹出現とともに上昇し,6~7日後に最高値をとり,以後経過とともに正常化した.血清LDHは発疹出現時より上昇し,GPTより2~3日早く最高値をとる傾向がみられ,約2週間で正常化した.8例中6例で回復期に肝生検を行った.組織学的には全例に軽度の肝細胞壊死を認めたが,グリソン鞘域の変化はほとんど認めなかった.

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© 社団法人 日本肝臓学会
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