肝臓
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孤立性空腸転移巣を切除し得た肝細胞癌の1例
黒河 達雄藤澤 憲司吉田 栄一梅田 政吉三村 久山田 隆年下山 均
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1994 年 35 巻 1 号 p. 72-77

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抄録

患者は48歳女性で,B型肝炎として経過観察中に発見された肝左葉を占拠する巨大な腫瘍に対し,肝左葉切除が施行された.病理組織学的にはEdmondson III型の肝細胞癌であった.約1年6カ月後,Treiz靭帯より30cm肛側の空腸に発生した手拳大の腫瘍が切除されたが,肝癌の腹膜転移と診断された.初回手術後再上昇していたAFPは再手術後正常化し,約1年7カ月を経た現在も3ng/mlと安定しており,再発病巣は完全に切除し得たと考えられる.肝癌の孤立性小腸転移が治癒切除された例は非常に稀でその転移経路に興味がもたれた.

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© 社団法人 日本肝臓学会
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